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A HAPPY NEW YEAR

Text by Hiromitsu Kojima

謎解きへの挑戦は終わらない

今回は弊社がお配りしている年賀状についてお話しします。

僕らは「謎を解き明かす」ことに目がないと思えるほど、日々未知なるものが含まれたコンテンツやニュースに囲まれています。例えば、ミステリードラマにおける犯人探しや、『チコちゃんに叱られる!』の知られざるトリビア。あるいは、芸能人のスキャンダル(本当に彼・彼女はことを起こしたのか?)…情報化が進んで未知の領域が小さくなればなるほど、知らない、わからない、という状態は人々にとって魅力的な体験になるのかもしれません。

ここで、僕が好きな冒険作家の角幡唯介さんの言葉を紹介します。

「常識や科学知識や因習や法律やテクノロジー等々の諸要素によって網の目のごとく構成されている、この目に見えない現人間界のシステムの外側に飛び出すこと。それこそが冒険と呼ばれる行為の本質であり、そのシステムの外側の領域で何がしかを探索することが探検と呼ばれる行為だ」(『極夜行』)

太陽が現れない北極の暗黒地帯や、チベットの秘境に挑戦する冒険作家と僕らとではまったく違いますが…普段見慣れた世界の外側に存在する「謎」に触れ、その解を見いだすこと。それは、いわゆる「システムの外側の領域で何がしかを探索すること」と同義であり、僕らはそんな冒険に常に飢えている、といってもいいでしょう。

 

その「謎解き」という冒険行為をカジュアルに体験できるゲームの一つとして、暗号やクイズが挙げられます。そしてエクスライトの年賀状では、この暗号・クイズを毎年モチーフとして扱っています。

僕らがこのモチーフを使い始めたきっかけは、今はなき国産スマートフォンのキャンペーンで暗号をつくるプロジェクトに参加したことにあります。メールを見返すと、このキャンペーンが実施されたのは2012年の冬。もう、7年近く前のことです。

そのプロジェクトは、ある芸人さん(今も有名でちょうど事件を起こされて謹慎されています)を新宿アルタ前の施設に閉じ込め、暗号を解くごとに次のステージに進むことができる、リアル脱出ゲームでした(脱出すると、そこは製品発表会場だった、というオチです)。その模様をYOU STREAMで配信し、ユーザーが暗号解読のヒントを芸人さん向けに投稿していくのです。リアルタイムで見ましたが、ユーザーからの膨大な数のコメントは、超高速回転するスロットマシーンのように流れていったことを憶えています。

 

この暗号やクイズにはつくり方のパターンのようなものがあり、制作側で「謎を設定し、自ら解く」という行為を繰り返し行い、完成へと近づけていきます。いわば自ら「謎解き」に挑戦するのですが、現在の僕らの主な仕事であるライティングや編集業務においても、「謎を設定し、自ら解く」という行為を日々繰り返しているように思えます。

例えば、インタビュー。Webでも紙媒体でもあまり情報が出ていない取材対象の方。どんなことを語っていただけるかわからない。それでも僕らは仮説を立て、質問案を企画し、インタビューに臨む。そして質問案を踏まえたインタビューを進めつつ、聞き出すべきことを聞き出し、さらに踏み込んだ会話を生み、そしてご本人が自覚されていなかったことも語っていただく…

そしてこのような「謎を解き」はインタビューだけではありません。

僕らの気持ちを動かす社会的なテーマはどのようなものか?

初心者ユーザーでもわかりやすく、機能的なコピーとはどのような書き方なのか?

読者との深い共感を生み出すストーリーとは、どのようなものか?…

まだまだ未熟なところはあるかもしれません。しかし僕らはこのような未知なるテーマと向き合い、楽しみながら「謎を設定し、自ら解く」ことをオープンエンディングに追求していくチームでありたいと考えています。

 

さて、話を今年の年賀状に戻しましょう。

今年のモチーフは、2020年に起こること、そして始まること。まず、年賀状のデザインはiPhoneの音声入力画面を模していて、「あけましておめでとう」を音波として表現。そして今年サービスがスタートする5Gや、夏に盛り上がるであろう東京オリンピック・パラリンピックが暗示されています。

僕らは「書く」ことを軸としてこれまで仕事をしてきました。そしてありがたいことに、新たに言語化が必要とされる社会的なトレンドやトピックを扱う機会に恵まれてきたと感じています。今年もオリンピックといった旬なイベントや、今後人々に必要とされるサービスなどに、ライティングや編集を通して向き合うことになるのではないでしょうか。

かつて川端康成は、「新しい思想・内容は、つねにそれにふさわしい、新しい表現、新しい文章を必要とする」と語りました。

川端のような文豪たちが競い合い、生み出してきた「新しい表現、新しい文章」を、僕らにつくりだすことができるかわかりません。しかしながら、オリンピックやオリンピック後の世界、これから生まれるサービスやテクノロジー…そのような人々にとっての新たな感動や、ライフスタイルおよびビジネス価値の再定義を、どのように言葉によって表現していくのかは、エクスライトのミッションの一つになるでしょう。

そして、このような次のフェーズの「謎解き」に挑戦すべく、エクスライトとしてサービスをつくってみました。まだまだこれから進化させ、さらに広げていきたいメニューではありますが、お時間のある際にぜひご覧いただければと思います。

Exwrite Our Services

今年もどうぞよろしくお願いします!

小島弘光(こじま・ひろみつ)

エクスライト代表取締役/コンテンツプロデューサー。

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