2025.3.10
オウンドメディアとは? メリットや始め方、運用のポイントも解説
近年、多くの企業が運営しているオウンドメディア。自社で管理するウェブサイトやブログをブランディングやリクルーティングなどに役立てる企業が増えています。オウンドメディアで成果を出すためには、魅力的なコンテンツ制作や長期運営を見据えた体制づくりが欠かせません。
この記事では、オウンドメディアの特徴やメリット、立ち上げる際の主な流れと運営のポイントについて解説します。
目次
オウンドメディアとは
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業や団体が自ら保有し、運営するメディアのことです。具体的には、ウェブサイトやブログなどが該当します。
オウンドメディアを運営する目的は企業によって異なりますが、企業や商材の認知度拡大・ブランディング、社風にマッチした社員を採用するためのリクルーティングといった目的で運営する企業が多いようです。
オウンドメディアは、企業と消費者をつなぐ「トリプルメディア」の1つ。ほかには、費用を支払って利用する「ペイドメディア」や、SNSや投稿サイトなどユーザーの意見が反映される「アーンドメディア」があります。
トリプルメディア
- オウンドメディア…ブランドサイト、ECサイト、採用サイト、ブログ など
- ペイドメディア…記事広告、ディスプレイ広告、リスティング広告、SNS広告 など
- アーンドメディア…SNS、ニュースサイト、口コミサイト など
オウンドメディアと公式サイトの違い
「オウンドメディア」と聞くと、企業の公式サイトやホームページと何が違うの?と思う人もいるかもしれません。ちなみに「ホームページ」は、本来ウェブサイトのトップページを指す言葉ですが、一般的には「公式サイト」と「ホームページ」は同じ意味で使われることが多いです。
本題のオウンドメディアと公式サイト(ホームページ)との違いですが、一番は運営する目的にあります。
オウンドメディアは、メディアを通して企業価値を高め、顧客や消費者との関係を構築するために価値のあるコンテンツを発信することを主な目的としています。そのため、定期的に新しい記事を発信することが想定されています。
一方、公式サイト(ホームページ)は、企業の基本的な情報やサービス概要を伝えるのが主な目的です。なので、情報がアップデートされた時のみ更新するケースがほとんどです。
広い意味では公式サイトもオウンドメディアの一つといえますが、目的やターゲットによって使い分けながら運営するのが一般的となっています。
オウンドメディアを持つメリット
企業のブランディングやマーケティングに重要な役割を果たすオウンドメディア。ここでは、オウンドメディアを持つ4つのメリットを紹介します。
潜在顧客を獲得できる
オウンドメディアで多くのユーザーが読みたいと思っているコンテンツを発信することができれば、Googleなどの検索エンジンで上位に表示される可能性があります。例えば、自社の商材に関連するキーワードをリストアップし、ユーザーの悩みや課題を解決するコンテンツを発信することで、成約確度の高い見込み顧客との接点を持つことができます。
また、流入数が増えれば、まだ自社の製品やサービスについて知らなかった潜在顧客に対しても情報を届けることが可能です。
コンテンツを資産化できる
オウンドメディアの掲載コンテンツは、自社の資産となります。独自性の高いコンテンツを一部抜粋してSNSやメルマガに転用したり、コンテンツを引用して営業資料として活用したりできます。
オリジナルコンテンツを発信するなら、SNSだけでも十分なのでは?という考え方もありますが、SNSは最新情報を素早く届けられるというメリットがある一方、情報がどんどん流れていってしまうという特性もあります。より多くの集客効果を得るためには、情報の格納先となり得るオウンドメディアとSNSを併用することがおすすめです。
マーケティング費用を抑えられる
オウンドメディアは、長期的な視点でコストを抑えられるというメリットもあります。タイアップディスプレイ広告やリスティング広告などのペイドメディアは、広告費をかけて出稿すればすぐに効果を得られますが、流入数を維持するためには出稿し続ける必要があります。
一方、オウンドメディアは制作時に一定の費用がかかりますが、検索上位に表示される記事コンテンツを作ることができれば、その後も長く安定した流入数を得ることができます。
ブランド力を向上できる
オウンドメディアは、上手に情報を発信することができれば、自社のブランドイメージをアップさせることができます。例えば、公式サイトのニュースやプレスリリースなどでは伝えきれない「裏側」の思いも伝えることで、より多くのユーザーからの支持や共感が得られるかもしれません。
公式サイトよりも自由度が高いので、話題のインフルエンサーを起用したコンテンツをタイムリーに発信したり、読者参加型のコンテンツでユーザーとのコミュニケーションを強化したり、目的に合わせて柔軟にコンテンツを作成できるのも魅力の一つ。また、専門性の高い情報を発信し続けることで、その業界内で専門性の高さや信頼性を築く一助にもなります。
オウンドメディアの始め方
オウンドメディアを立ち上げる際は、メディアの目的やゴールを明確にすることが重要です。ここでは、立ち上げの際の主な流れを4つのステップに分けて紹介します。
コンセプトを設計する
オウンドメディアを立ち上げるときは、まずはメディアの目的やターゲットユーザー・ペルソナなどを決めます。目的や目標が決まれば、具体的にどのようなメディアを運営するのか、コンセプトイメージがしやすくなります。
- 目的の例:企業の認知度向上、商品やサービスの購入・申し込み・お問い合わせ、採用
- ターゲットの例:「女性・20代・会社員」、「男性・30代・管理職」
- ペルソナの例:「20代女性の会社員で、美容分野に興味があり、年収は300万円台」
ターゲット層が広い場合は、ペルソナを複数設定してコンテンツごとに区別すると効果的です。ターゲットとなるユーザーは、より具体的に設定するとメディアのテーマ設計がしやすくなります。
制作コンテンツの種類を決める
メディアのコンセプトやターゲットが決まったら、制作するコンテンツの種類も決めましょう。主な種類としては、以下のようなものがあります。
- 記事コンテンツ
- 動画コンテンツ
- 画像コンテンツ
- 音声コンテンツ
- 漫画コンテンツ
など
また、記事コンテンツ一つとっても、内容はさまざま。ターゲットやニーズに合わせて、どのような形で届けるかを適切に選ぶことが重要です。
- 社員インタビュー(経営者、社員への取材記事)
- 商品やサービスの導入事例、活用事例、成功事例
- コラム記事(初心者向けの解説記事、専門的なノウハウなど)
- 自社のアンケート調査(資料コンテンツ)
- 業界のトレンド情報
- 取材記事(イベントレポート、体験記事など)
など
制作体制を整える
オウンドメディアを安定的に運営するためには、制作体制を整える必要があります。例えば、コンテンツ制作だけでも以下のような役割が必要になります。
メディア全体の責任者、コンテンツ企画担当者、編集者、ライター、カメラマン、デザイナー、監修者、校正者 など
また、オウンドメディア立ち上げ時には、コンテンツ制作だけではなく、ウェブサイトの制作も同時に進める必要があります。
全てを社内でまかなうことが難しい場合は外部パートナーに依頼するなど、専門家の知識やノウハウを借りることも検討してみましょう。
オウンドメディア運用のポイント
最後に、オウンドメディアの運用において、押さえておきたいポイントを2つ紹介します。
長期的な運用を前提に立ち上げる
オウンドメディアの成果は、すぐに得られるわけではありません。オウンドメディアの運営は、あくまでも長期施策です。
立ち上げには、それ相応の手間や時間がかかることを念頭に置いて、長期的な目標を立てましょう。
また、多くのユーザーにオウンドメディアを訪れてもらうためには、記事を1本制作したら終わりではなく、定期的なコンテンツ発信とともに、アクセス解析やデータ計測など、PDCAサイクルを回していく必要があります。
魅力的なコンテンツを発信する
オウンドメディアを成功させるためには、なんといってもユーザーファーストを徹底することが重要です。
ユーザーのニーズを満たすことができる魅力的なコンテンツは、Googleの検索エンジンからも高く評価される傾向があります。ユーザーの抱える悩みや疑問を解決し、何度も読み返したくなるような、競合に負けない魅力的なコンテンツを作成しましょう。
なお、SEO効果を高めるためには、記事公開後も定期的にリライトをするなど、流入を安定させるための施策も忘れずに行いましょう。
まとめ
オウンドメディアは、企業成長につながる施策として、今や多くの企業が運営しています。効果的に成果を得るためには、多くの知識とノウハウが必要です。自社でカバーし切れないときは、コンテンツ制作のプロに外注することも視野に入れながら、事前の準備をしっかりとして運営体制を整えていきましょう。
文:エクスライト編集部