編集者の視点|オウンドメディア

2024.10.26

オウンドメディア ソリューション

オウンドメディアの種類:目的別で分ける5つのタイプ

オウンドメディアを目的別に分類することで、施策の目標がより明確になり、社内外の体制構築に必要な能力や専門性が把握しやすくなります。また、運営を担うメンバー間での目線が揃いやすくなり、業務の円滑化や課題解決にもつながります。

この記事では、オウンドメディアの目的を5つに分類し、それぞれについてご紹介します。

① 広報型オウンドメディア

広報型オウンドメディアは、企業の理念やビジョン、社会的取り組みを発信し、ステークホルダーと信頼を築くことが目的となります。

具体的な運営例として、自動車メーカーがモータースポーツイベントのレポート記事を公開する、通信企業が災害対応や次世代通信網の普及状況を報告するなどが挙げられます。

また、エネルギー企業がSDGsへの取り組みやESG経営の成果を発表する、メガバンクがダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みを紹介するなど、投資家向けに企業の社会的価値をアピールする役割も重要視されます。

刻々と変わる経営課題を受け止め、自社発信を通じてステークホルダーと理想的な関係を築く大切な役割を担います。

コンテンツ例

  • 企業理念やビジョンに関する記事
  • 社会貢献活動や環境への取り組みに関する記事
  • 企業イベントのレポート記事

②採用型オウンドメディア

採用型オウンドメディアは、優秀な人材の獲得と企業文化にふさわしい採用を目的に運営されるメディアです。企業の魅力をさまざまな角度から発信し、求職者とのマッチングの質を高めることで、応募数の増加や入社後の定着率向上を目指します。

具体的には、テクノロジー企業がエンジニアの働き方やキャリアパスを紹介する、スタートアップ企業が若手社員のサクセスストーリーを掲載する、定着率の芳しくない企業が組織内の成長機会をアピールするためにメンター制度を取り上げるなど、自社独自の魅力で求職者の関心を集め、応募意向の形成を促します。

自社に関する多面的な発信は、採用候補者だけでなくインナー向けの文化浸透、ロイヤルティ向上につながるなど副次的な効果も期待できます。

コンテンツ例

  • 社員や人事担当者のインタビュー記事
  • 職場環境・社内の取り組みについての紹介記事
  • 社員のキャリアパスや成長ストーリーの紹介記事

③マーケティング型オウンドメディア

マーケティング型オウンドメディアは、複数の製品やサービスを保有する企業が顧客にとって有益な情報を提供することで、ブランド認知向上やリード獲得を目指すメディアです。

例えば、ホームセンターがDIYの方法を紹介する連載コラムを立ち上げる、化粧品メーカーがシーズンごとにメークのコツを発信する、IT企業が業界課題を解決する導入事例をパターン別にまとめるなど、多様なコンテンツ接点で顧客の興味を引き、エンゲージメントを高めます。

比較的広範なターゲットに向けて、業界のトレンドやテーマ、商材に関する発信を行い、タッチポイントを拡大しつつ、最終的な購買意向形成につなげます。

コンテンツ例

  • 業界トレンド分析記事
  • 商材周辺テーマの読み物記事
  • 事例紹介記事

④販促型オウンドメディア

販促型オウンドメディアは、特定の製品やサービスをプッシュするメディアです。特に、1つの商材に注力するブランドやスタートアップ企業が、製品やサービスにあらゆる面から光を当てるアプローチで購買意向の形成を後押しします。

具体的には、D2Cブランドが新製品の開発ストーリーを展開する、SaaSサービスがその機能や効果のエビデンスを専門家と検証する、導入ユーザーの生の声を掲載するなどが挙げられます。また、インフルエンサーやKOL(Key of Leader)を起用して、強いインパクトで購入を後押しするケースもあります。

販促型オウンドメディアでは、カスタマージャーニーやLTV(顧客生涯価値)をふまえた戦略的なコンテンツ運用を通じて、D2Cの肝となる”リテンション”につなげることがゴールになります。

コンテンツ例

  • 製品に関するエビデンス記事
  • サービスの利用促進に関する記事
  • ダウンロード可能なホワイトペーパー

⑤メディア事業型オウンドメディア

メディア事業型オウンドメディアは、コンテンツそのものを自社事業とする、または収益を生み出す商材と位置づけるのが特徴です。オリジナルのコンテンツ制作に力を入れ、専門性や独自性の高い情報を発信することで、読者や視聴者の支持を集めます。

具体的には、新聞社が医療やペットなど特定のテーマに特化したメディアを運営する、出版社が紙媒体の記事をWeb向けに再構成して広告収入を得るなど、既存マスコミのデジタル領域への進出が挙げられます。

一方で、事業会社が特定の切り口でPVを稼ぎ、広告収入を目的としてターゲットメディアを運営するケースもあります。広義に捉えれば、ウェビナーを有料で配信する、会員限定で自社事業領域のノウハウを提供する、音声コンテンツでマネタイズするなどもこのタイプに含まれます。

コンテンツ

  • 特定ターゲットに向けた各種記事
  • 有料会員向けの専門記事
  • オンライン講座やウェビナーの紹介記事

*複合型オウンドメディアも

複合型オウンドメディアは、広報、採用、マーケティング、販促、メディア事業の複数の目的を組み合わせて運営されるメディアです。独自の編集方針とコンテンツ設計を通じて、より戦略的なターゲットに向けて、アプローチできるのが特徴です。ただし、コンテンツ編集の難易度が上がる点と、目的が複数立つことにより施策評価が難しくなる点には注意が必要です。

目的型のオウンドメディア分類でブレない運営を

オウンドメディアを目的別に分類することで、企業は各施策に対して明確な目標を設定し、最適な運営体制を構築できます。広報型、採用型、マーケティング型、販促型、メディア事業型といったオウンドメディアは、社内スタッフのアサインや外部パートナーの選定に役立ち、各領域に特化した専門性を効果的に活用できます。これにより、企業は自社の目標に合った戦略を展開し、リソースを最大限に活かして高い成果に向けて走り出すことができます。

文:エクスライト編集部

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