2025.1.22
SEOにおけるYMYLとは?該当するジャンルやE-E-A-Tの関係性、記事監修がおすすめな理由についても解説
SEO対策をするうえで知っておきたいのが、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれるジャンルです。YMYLは、他のジャンルよりも検索エンジンからの評価が厳しく行われる傾向があるため、あらかじめ対策を知っておくことが重要です。
今回は、YMYLのジャンルや、合わせて知っておきたいE-E-A-Tの特徴、さらにYMYLに効果的な記事監修について解説します。
目次
- YMYLとは?
- YMYLの対象となるジャンル
- GoogleがYMYLを重要視している理由
- YMYLとE-E-A-Tの関係性
- これまでのYMYLのアップデート史
- 2011年2月 パンダアップデート
- 2011年12月 フレッシュネスアップデート
- 2017年2月 ”ウェルク”アップデート
- YMYL領域におけるSEO対策のポイント
- 出典元をしっかりと明記する
- SSL化する
- 常に最新情報をチェックし、定期的にリライトする
- 関連性の高いサイトからの被リンクを獲得する
- 運営元や執筆者のプロフィールを記載する
- コンテンツの専門性を高める
- ユーザーの検索ニーズを満たしている
- YMYL領域では記事監修がおすすめ
- YMYL領域において記事監修をつけるメリット
- 費用対効果が高い
- ユーザーの信頼獲得につながる
- 競合他社との差別化につながりやすい
YMYLとは?
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略語です。日本語に訳すと「あなたのお金、あなたの生活」という意味になり、お金、健康、買い物や住宅など、私たちの生活に深く関わりのあるジャンルを指します。
YMYLという言葉自体は、Googleが作った造語です。Googleの検索品質ガイドラインによると、YMYLのジャンルに関しては他のジャンルよりも正確かつ信頼性の高い内容を求めており、評価基準もより厳しくなっています。
YMYLの対象となるジャンル
Googleでは、YMYLについて、「私たちの健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピック」と定義しています。つまり、誤った情報が記載されると、私たちの健康や経済状況に大きな影響を及ぼすジャンルと言い換えることができるでしょう。
YMYLの対象となる主なジャンルは、以下の7つです。
- ニュースや時事問題…政治、経済などの時事ニュースや、災害などに関するニュースなど
- 政治や法律関係…法律や市民の権利に関する情報、国会・選挙・外交に関する情報など
- 金融(お金)…投資、年金、税金、住宅ローン、保険に関する情報など
- ショッピング…ECサイトの取引情報、商品やサービスの金額に関する情報、商品レビュー(商品の購入を決める要素)など
- 医療、健康…病気、薬、サプリメント、美容情報、病院の場所、緊急時の備えに関する情報など
- 人種、宗教、性別・その他人生を左右するような情報…国籍、人種、宗教、性別など、人のグループに関する情報
- その他‥住宅の購入や引越しに関する情報、進学や就学に関する情報、栄養学やフィットネスに関する情報など
GoogleがYMYLを重要視している理由
Googleは、ユーザーにとって有益な情報を提供する高品質なサイトを上位表示させます。特に、YMYLのようなユーザーの生活や健康に大きな影響を与える情報については、より厳しい評価基準を設けることで、コンテンツの質を保っています。
医療に関する情報については、誤った情報を記載してしまうと、ユーザーの健康に影響を与えてしまう可能性があります。また、信頼性の低い情報が拡散されてしまうと、ユーザーへの悪影響が問題を引き起こすこともあるでしょう。最悪の場合、ネット上で書かれている内容が人命に関わる恐れもあるため、GoogleはYMYLに関しては特に厳しくチェックするようになっています。
YMYLとE-E-A-Tの関係性
YMYLのジャンルに該当するコンテンツに関しては、E-E-A-T が重視され、この2つは密接に関わっています。E-E-A-Tとは、Googleの検索品質ガイドラインで定義されているWebサイトの品質を判断するための評価基準のことです。
経験(Experience)、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trust)の4つの要素を満たすことで、YMYL領域のサイトの評価を高めることができます。
例えば、お金に関する記事を書く場合は、金融商品に詳しい専門家や実際に金融業界で働いている専門家に記事の執筆を依頼すれば、E-E-A-Tの基準を満たし、YMYL領域の厳しい評価基準もクリアすることが可能です。
これまでのYMYLのアップデート史
GoogleがYMYLを重視するようになってから、何度かアップデートをしています。これまでのYMYLに関する主なアップデートの特徴を紹介します。
2011年2月 パンダアップデート
2011年2月に行われたパンダアップデートでは、低品質なサイトが検索上位に表示されないようなアルゴリズムに変更されました。この影響で、内容の薄いページや広告が多く情報量の少ないページ、コピーコンテンツなどが表示されにくくなり、専門性が高くユーザーのニーズを満たすページが上位表示されるようになりました。日本では、2012年7月から実装されています。
2011年12月 フレッシュネスアップデート
2011年12月のフレッシュネスアップデートでは、その名の通り、最新情報を提供するサイトが評価されるアルゴリズムが追加されました。YMYLのように、新しい情報を扱うトピックスに関しては、フレッシュネスアップデートの影響は強いといえるでしょう。天気などの気象情報や防災情報、スポーツイベントなどの定期的に開催されるものに対しては、情報の正確性と信頼性が特に重視されます。
2017年2月 ”ウェルク”アップデート
2017年2月のウェルクアップデートは、日本限定で実装されました。医療・健康・美容情報を取り扱っていたキュレーションサイト「ウェルク」が、医学的に根拠のない情報や薬機法に違反する内容を掲載していたり、他サイトから無断転載していたことを受けて、サイトが非公開化される事態となりました。これを受けて、医療や健康に関する情報は専門家が執筆・監修したサイトが上位表示される仕組みへとアップデートされました。
Googleは検索エンジンのアルゴリズムを定期的にアップデートしていますが、YMYLの領域については引き続き信頼性や権威性が高いことを重視しています。
YMYL領域におけるSEO対策のポイント
それではここからは、YMYL領域の記事を書く際のSEO対策について見ていきましょう。ここでは、8つの効果的な方法を紹介します。
出典元をしっかりと明記する
専門性の高い記事を書く際は、どの情報を元に執筆しているのか、参照サイトや引用サイトの出典元を明記しましょう。YMYL領域ではユーザーの信頼性を高めるためにも、官公庁や大学など、信頼できる公的機関や研究機関からの情報をもとに執筆することが重要です。公平かつ客観的なデータは説得力もあり、ユーザーからの信頼も得やすいです。
SSL化する
SSL(Secure Sockets Layer)を導入しているサイトは、データ通信が暗号化されるため、安全性を高めることができます。そのため、SSL化されているサイトは、セキュリティ対策を行っているサイトとして認識され、ユーザーからの信頼性も高まるでしょう。SSL化されているサイトは検索エンジンからの評価も上がるため、SEO効果が期待できます。
常に最新情報をチェックし、定期的にリライトする
フレッシュネスアップデートを受けて、情報が古いサイトはGoogleからの評価も低くなりがちです。YMYL領域では時事ネタを扱うことも多いため、常に最新情報をチェックして定期的に記事を更新することが重要です。
記事の更新日をユーザーに分かるように明記すると、より信頼性が高まるでしょう。特に法令や制度が変わるタイミングは、記事のリライトを行うタイミングとして認識しておきましょう。
関連性の高いサイトからの被リンクを獲得する
良質の高い記事は、外部サイトからリンクを貼ってもらえる「被リンク」を獲得しやすいです。YMYL領域においては信頼性が重要な要素となるため、関連性が高いサイトやGoogleからの評価が高いサイトから被リンクを獲得することができれば、検索上位を獲得しやすくなるでしょう。被リンクがあるサイトはユーザーからの信頼も得やすく、流入数の増加も期待できます。
運営元や執筆者のプロフィールを記載する
Googleは、誰が情報を提供しているのか、誰が記事を執筆しているのかをチェックしています。運営元や執筆者のプロフィールを記載することで、ユーザーに権威性・専門性・正確性をアピールできます。記事の内容にもよりますが、問い合わせ先やカスタマーサービスの窓口についての情報も明記すると、よりユーザーに安心感を与えられるでしょう。
コンテンツの専門性を高める
専門性の高い記事はSEOにおいて効果的ですが、特にYMYL領域においては、非YMYL領域と混同しないようにサイトのテーマを統一することが重要です。医療情報をメインに扱うサイトの中にグルメや旅行などの記事が混在すると、ユーザーから専門性の高いサイトとして認識されにくくなります。誰が見ても「これは〇〇ジャンルについてのサイト」と分かるように、記事テーマには一貫性を持たせるようにしましょう。
専門性を高める手段としては、医療情報を扱うのであれば医師に、法律については法の専門家である弁護士に監修や執筆を依頼するのがおすすめです。一つのジャンルに特化したうえで、豊富なコンテンツを発信することがSEO効果を高めるポイントです。
ユーザーの検索ニーズを満たしている
YMYL領域以外にも言えることですが、SEOではユーザーの満足度が高いほど効果も高いです。特に以下の内容について意識するようにしましょう。
- 記事のタイトルと本文の内容が一致しているか
- 分かりやすい文章で書かれているか
- 具体的なエピソードなどが紹介されているか
- 信頼できる根拠があるかどうか
- 広告が多すぎたり、文章が長文で読みづらくなっていたりしないか
- E-E-A-Tの基準をクリアしているか
YMYL領域では記事監修がおすすめ
健康やお金など、影響力が大きいトピックスを扱うYMYL領域においては、特定分野に詳しい専門家に記事監修を依頼し、正確な情報を発信することが重要です。逆に、監修者をつけない記事は知識不足などにより正確性が失われる可能性が高く、信頼性を失う恐れがあるでしょう。
すでに、YMYL領域では専門家による監修記事や公的機関が運営するサイトが上位を占めている現状があり、専門資格を持たない人が執筆をしたとしても、検索上位に上がる可能性は低いと言えます。
また、定期的に更新して最新情報にアップデートする作業も、YMYL領域に詳しい人でなければ適切なタイミングで対応するのが難しくなるでしょう。正確な情報を発信するという意味においても、YMYL領域では専門家による記事監修がおすすめです。
YMYL領域において記事監修をつけるメリット
ここからは、YMYL領域において専門家に監修を嫌いするメリットを紹介します。記事監修を依頼するか迷った場合に参考にしてみてください。
費用対効果が高い
専門家に記事監修を依頼する場合は、監修料が発生します。実績が優れていて権威性の高い人物の場合はそれなりの費用を支払うことになりますが、サイトの信頼性を高めることでサイトの流入数が上がり、広告に費用をかけるよりも多くのリターンを得られるでしょう。記事監修は費用対効果が高い点はメリットといえます。
ユーザーの信頼獲得につながる
記事監修をつけることで、YMYL領域において重要な指標であるE-E-A-Tを満たすことができます。信頼性の高い情報源から作成されたコンテンツであると証明できるため、ユーザーからの信頼獲得に繋がりやすいです。また、記事監修であることを冒頭で明記することで、ユーザーがサイトから離脱せずに最後まで読んでもらいやすくなります。
競合他社との差別化につながりやすい
Googleでは、独自性の高い記事を評価する傾向があります。記事監修をつけることで監修者の実体験や独自の視点、事例などのオリジナル要素を盛り込むことができ、競合サイトとも差別化できます。
YMYL領域では、検索結果の上位に表示させるためには他サイトにはない独自の視点を盛り込むことが必須です。サイトに専門家が関わっていることをアピールできれば、ユーザーや検索エンジンからの評価も上がり、上位表示につながりやすくなるでしょう。
文:エクスライト編集部