
採用記事の文字数は、どう決めればいいのか
候補者の判断材料から考える、記事設計の視点
採用記事をつくるとき、「何文字くらいがよいのか」で迷うことがあります。
社員インタビューが長くなりすぎる。
短くすると、会社らしさや社員の人柄が伝わらない。
仕事紹介の記事で、仕事内容をどこまで詳しく書けばよいのか分からない。
カルチャー記事で雰囲気を伝えようとすると、どうしても冗長になる。
採用サイトの記事は2,000字くらいでよいのか。
それとも、5,000字くらいかけて丁寧に伝えるべきなのか。
こうした迷いは、単なる文字数の問題に見えます。
しかし実際には、「この記事を読んだ候補者に、何を判断してもらうのか」が整理されていないことで起きている場合があります。
採用記事の文字数に、すべての記事に共通する正解はありません。
大切なのは、長いか短いかを先に決めることではなく、その記事が候補者にとってどのような判断材料になるのかを考えることです。
目次
1. 採用記事の文字数に、共通の正解はない
採用記事の文字数を考えるとき、つい「何文字くらいが読みやすいのか」という話になりがちです。
もちろん、読みやすさは大切です。
長すぎる記事は読む負担が大きくなりますし、情報が整理されていなければ途中で離脱されてしまうこともあります。
一方で、短くすればよいとも限りません。
採用記事では、会社の雰囲気、仕事内容、社員の人柄、働き方、制度、チームの関係性など、さまざまな情報を扱います。これらを短くまとめることで読みやすくなる場合もありますが、候補者が判断するための材料が十分に残らない場合もあります。
見るべきなのは、文字数そのものではありません。
その記事は、まだ会社を知ったばかりの候補者に向けたものなのか。
応募を検討している候補者に向けたものなのか。
面接前後に、より深く理解してもらうための記事なのか。
読む人の検討段階が変われば、必要な情報量も変わります。
採用記事の文字数は、最初に決めるものではありません。
その記事を読んだ候補者に、何を判断してもらうのかによって決まります。
2. 短い記事にも、長い記事にも固有の役割がある
採用記事では、短い記事にも、長い記事にも、それぞれ異なる役割があります。
短い記事は、候補者との入口として機能しやすいコンテンツです。会社の日常、イベントの様子、社内の取り組み、社員のちょっとした声など、採用広報として継続的に接点をつくる目的であれば、短めの記事の方が気軽に読んでもらいやすくなります。
いきなり深い理解を求めるのではなく、「少し気になる」「雰囲気がよさそう」と感じてもらう。そのような入口として、短い記事は有効です。
一方で、まとまった長さが必要になる場面もあります。
職種の具体的な業務内容。
入社後に直面する仕事の難しさ。
チームの判断基準。
社員の成長過程。
キャリアの変化。
その会社で働くうえで大切にされている考え方。
こうした内容を伝えるには、ある程度の情報量が必要です。短くまとめすぎることで、仕事のリアリティや、候補者が知りたい具体性が抜け落ちてしまうこともあります。
ただし、長ければよいわけではありません。
文字数が増えていても、同じ話が繰り返されていたり、候補者にとっての判断材料が増えていなかったりすれば、読む負担が大きくなるだけです。
長い記事が機能するのは、その長さに見合う情報の整理がある場合です。
読み終えたときに、仕事内容が具体的に見える。
社員の考え方が分かる。
自分に合うかどうかを考える材料が増える。
入社後の働く姿を想像できる。
そうした読後感があってはじめて、長い記事は意味を持ちます。
3. 社員インタビューは、話を全部載せるものではない
採用記事の中でも、社員インタビューは長くなりやすい形式です。
取材をすると、よい話がたくさん出ます。
入社理由、現在の仕事、印象に残っているプロジェクト、苦労したこと、成長を感じた場面、チームの雰囲気、今後の目標。
どれも大切に見えるため、できるだけ記事に入れたくなります。
現場社員から「この話も入れてほしい」と言われることもあります。採用担当者としても、削ることで魅力が薄くなるのではないかと不安になることがあります。
しかし、取材で出た話をすべて載せることが、候補者にとって親切とは限りません。
候補者が知りたいのは、話の量そのものではありません。
その人の働き方や考え方を通じて、自分がその会社で働く姿を想像できるかどうかです。
そのためには、取材で出た話をすべて並べるのではなく、記事として何を残すかを選ぶ必要があります。
この社員インタビューは、人物の魅力を伝える記事なのか。
職種理解を深める記事なのか。
入社後の成長を見せる記事なのか。
チームの関係性を伝える記事なのか。になります。
役割が決まれば、残すべき話も変わります。
削ることは、単に文章を短くすることではありません。
読後に何を残すかを明確にすることです。
採用記事では、社員の話を大切にしながらも、候補者にとって判断しやすい形に整える必要があります。そこに、編集の役割があります。
4. 1本の記事に詰め込まず、記事群で役割を分ける
採用記事が長くなりすぎる理由のひとつに、1本の記事に多くの役割を持たせすぎていることがあります。
仕事内容も伝えたい。
社員の人柄も伝えたい。
会社の文化も伝えたい。
制度も紹介したい。
代表の考え方も入れたい。
チームの雰囲気も見せたい。
もちろん、どれも採用において大切な情報です。
しかし、それらをすべて1本の記事に詰め込むと、記事の焦点がぼやけやすくなります。
採用記事は、必ずしも1本で完結させる必要はありません。
仕事内容は仕事紹介記事で伝える。
社員の人柄はインタビューで伝える。
カルチャーは別の企画で伝える。
制度は採用サイト内のページで整理する。
代表の考え方はメッセージ記事として独立させる。
このように役割を分けることで、1本の記事に求める情報量も変わります。
採用記事の文字数を考えるときは、その記事だけを見るのではなく、他の記事や採用サイト内の情報との関係も見る必要があります。
この記事ではどこまで伝えるのか。
どこから先は、別の記事やページに任せるのか。
候補者が複数の情報に触れたとき、どのように理解が深まるのか。
そうした役割分担が見えてくると、記事の長さも判断しやすくなります。
候補者に渡す情報量を設計する
採用記事の長さは、何文字が正解かではなく、候補者にどの程度の判断材料を渡すべきかによって変わります。
短い記事は、会社を知る入口として機能しやすい場合があります。一方で、仕事内容やチームの判断基準、入社後に直面する難しさなどを伝えるには、ある程度の情報量が必要になることもあります。大切なのは、長いか短いかではなく、その記事を読んだ候補者が何を理解し、何を判断できるようになるかです。
エクスライトでは、採用記事の情報量設計や、社員インタビュー・職種紹介・カルチャー記事の役割整理からご相談いただけます。
文:エクスライト編集部